●はじめに
絵を描くということは、濁った川を下流めざしてやみくもに泳ぐ。ヘドロを掻き分けながらようやくたどりついた港は船という鉄の箱物で邪魔だらけ。激突され ないようにあっちにひょい、こっちにひょい。やっとのことで太平洋はガラパゴス。気が付いたら一人ぼっちで現代アートの進化論をぶつぶつ唱えているという わけのわからない行為のことだな。
●テーマ
死をテーマとする。
It carries out a theme [ death ].
言語をつかった概念的な作品から始める。
It starts with the notional work using language.
言語がキャンバスの上で腐り始める。
Language begins to rot on canvas.
死体となる。
It becomes a body.
死体は分解される。
A body is decomposed.
一本の線となる。
It becomes one line.
一本の線が集まり形が誕生する。
One line gathers and a form is born.
テーマが死から生へ移行し始めた。
A theme began to shift to birth from death.
●意気込み
絵は常に一本の線から始まる。
A picture always begins from one line.
絵描きはその線を何本も描いていくうちに熟練した職人(画家)となる。
An artist becomes the craftsman (painter)
who became skillful while drawing many [ of the line ].
しかし絵描きは職人であってはならない、
However, an artist must not be a craftsman.
常に初心者でなくてはならない。
You must always be a beginner.
だからキャンバスや紙に向かった最初一本の線は毎回毎回「うぶ」でなくてはならない。
Therefore, one line must be “simple” each time at the beginning
which faced to canvas or paper.
しかし「うぶ」だからといって子供のように幼稚に描けばいいかというとそれは間違いである。
However, it is a mistake as to it should draw puerilely
like simple [ “simple” ], even so a child.
大人として下手に描くのである。
It draws poor as an adult.
見栄も外聞も捨てて誰にも負けないくらい下手に描く事こそ大切なのである。
It is important to just draw on the lower part to the extent that vanity
and reputation are thrown away and it is second to nobody.
●もう一つの性格
*god/FAC | FYC/━《名》1 [G?] U神, 創造の神, 造物主.[研究社新英和中辞典第6版]
*hoton・museum/━《名》現代美術家? 人間(アンドウユタカ)が作った仮想美術館。最近はbadboy galleryと名を変えた。
*in・no・cence/WM]QMQ/━《名》1 [U] 無罪, 潔白 2 [U]a 純潔, 純真 b 無邪気, 天真爛漫(らんまん) c 単純, 無知.3 [U] 無害, 無毒.4 [C] 無邪気[純真]な人; お人よし[研究社新英和中辞典第6版]
*ほう・ける【惚ける・耄ける】#自下一# #ほう・く(下二)(ホウクはホホクの転)#知覚がにぶくなる。ぼんやりする。ぼける。宇治拾遺一四「唐人に のろはれて後にはいみじく?・けて物もおぼえぬやうにて」?ほおける。#極度に心を奪われる。夢中になる。宇治拾遺一「博打の打?・けてゐたるが見て」。 「遊び?・ける」
*ほうとん・にっき【ホウトン日記】#ほうけた出来事がいっぱい。
*ほうとん・びじゅつかん【ホウトン美術館】#ほうけた芸術作品がいっぱい。
なんでえ、なんでえ!
縁側でよだれを垂らして寝てやがらあ。
あれ?こいつ寝ているのに手が動いますぜ、親分。
どれどれ、おっおっ!こいつぁ、すげー。
八、ちょっとこれを見てみな。
天才的な絵を描いてやがるぜ。
ひえー!なにが天才的なんです!
こいつは馬鹿ですぜ、親分。
目ひんむいてよく見てくだせー。
子供みてぇな絵を描いてやんの。
馬鹿か阿呆かゲロゲロ蛙か、わけがわからねぇ。
何言ってやがる、八。
おめえの言ってることのほうがわけがわからねえじゃねえか。
親分、それはねぇでしょう。
しかし、世の中にゃ、ほうけた野郎がいるもんですねぇ。
そうだなあー。
でもこんなせちがれぇ御時世でも、こんな野郎がいるとは
なにかうれしいじゃねーかい、八。
ん?